水分滞留(雨漏り)は赤外線カメラでどう見える?

2025.07.16

赤外線カメラで水分を見つける!

赤外線カメラは、建物の外壁調査の他に雨漏り調査おいても非常に有効なツールとして活用されています。人の目では特定できなかった雨漏りの原因箇所も赤外線カメラで可視化することで見つけられる可能性が高くなります。ただ、中途半端な知識のまま診断することは誤診を招くことになりかねません。

赤外線の本質・水の特性を理解することで、初めて様々な状況下で理解・判断することができます。本記事では、水という物質の特性、赤外線カメラでの見え方について詳しく解説します。

 ①水という物質

水は地球上の生命にとって欠かせない存在です。私たちの日常生活にも深く関わっているこの物質には、科学的に見ても非常に興味深い特性が数多くあります。この水という物質の特性を理解・把握することが雨漏り調査の第一歩だと考えます。この記事では、水の持つ特別な性質の中から「比熱」と「気化熱」に焦点を当て、その仕組みと役割について詳しく見ていきます。

比熱とは、1gの物質の温度を1℃上げるために必要な熱量のことです。水の比熱は約4.18 J/(g·K)と非常に高く、これはほとんどの液体や固体と比べても突出しています

簡単に言えば比熱とは

「温度変化のしにくさ」を数値化したものです。

水の比熱が約4.18 J/(g·K)であるのに対し、コンクリートの比熱は約0.84 J/(g·K)、一般的な屋根材(例えばガルバリウム鋼板)の比熱は約0.5 J/(g·K)程度です。水の比熱はガルバリウム鋼板の約8倍、コンクリートの約5倍にもなります。つまり、同じ熱量を加えても水はこれらの材料に比べて

温度が上がりにくいのです。

逆に冷やす(熱量を奪う)水はこれらの材料に比べて温度が下がりにくい(相対的に水の温度が高い)のです。

気化熱とは、液体が気体(蒸気)に変わるときに必要な熱量のことです。水の場合、1gが蒸発する際に約2260 Jの熱を周囲から奪います。これは他の液体と比べても非常に大きい値です。

簡単に言えばと水が蒸発する時に周囲の温度が下がるということです。

気化熱の働きをわかりやすく説明すると…
  • 夏に汗をかくと涼しく感じるのはなぜ?
    汗は皮膚から蒸発するときに周囲の熱を奪います。このときのエネルギー消費が「気化熱」です。気化熱が大きい水は、効率よく体温を下げてくれるため、私たちは涼しさを感じます。

  • 打ち水で涼しくなる仕組みも同じ!
    夏に地面に水をまくと涼しく感じます。これは、水が蒸発する際に周囲の熱を奪うからです。

  • 冷却タオルの仕組み
    水で濡らして絞ったタオルが涼しいのは、水が蒸発するときに気化熱で熱を奪うからです。外でのスポーツや作業時に効果的なのはこのためです。

②水分と赤外線診断

水分の有無を赤外線診断するためには水の「比熱」と「気化熱」を考慮する必要があります。そして気象状況にも左右されるので注意が必要です。

日照時、比熱の観点では水分滞留部は健全部より温まりにくく、相対的に温度が低くなります。さらに気化熱によって絶対的温度低くなるため、結果的に赤外線カメラでは温度低下が見られます。

曇り時、日射が少なく温度変化も少ないため、比熱の観点では水分滞留部と健全部の温度は均一に近くなる傾向にあります。ただし、気化熱の影響で温度が低くなるため結果的に赤外線カメラでは温度低下が見られます。

外気温が下がるとき、比熱の観点では水分滞留部は健全部より冷めにくいため相対的に温度は高くなります。しかし、水分は気化熱の影響で温度が低くなります。このような条件下ではその時の環境次第で水分は健全部に比べて高くも低くも見えることがあるということです。

以上のことを理解した上で診断することが大事になります。

雨漏り調査に赤外線ドローンを使った場合、広範囲をスピーディーに点検できるため、予期せぬ雨漏り原因箇所を特定することができます。雨漏りが発生している真上が水の進入箇所とは限りません。ですから可能性がある箇所すべてを確認する必要があります。原因箇所の特定には先入観にとわわれない客観的な画像診断が非常に効果的です。

目視では発見できない問題箇所を的確に特定し、早期対応することで修繕コスト削減にもつなげることができます。弊社では赤外線に関する知識・資格を持ったスタッフが撮影・解析を行っております。外壁タイルや雨漏りに不安・お悩みがある方、または建物の定期点検を検討している方は、ぜひ赤外線ドローンを活用した点検をご利用ください。

建物の健康を守り、長持ちさせるために最適な解決策をご提案し、全力でサポートいたします。

赤外線点検に関するご相談やお仕事のご依頼は弊社まで一度お問い合わせください。

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