特定飛行とは?                             ~前編 特定飛行に該当する飛行空域~

2024.12.03

近年、ドローンを活用した点検や撮影が広がる中、「特定飛行」という言葉を耳にする機会が増えています。今回は、特定飛行とは一体何なのか、どのような条件下で該当するのかを分かりやすく解説します。特定飛行についてはボリュームが多いため、前編・後編に分けてご紹介したいと思います。

特定飛行とは、国土交通省が定めるドローンの飛行条件のうち、通常の飛行よりも高いリスクが伴うとされる飛行空域・飛行方法を指します。特定飛行を行う場合、操縦者に一定の技能が求められるほか、国土交通省への事前の許可・承認申請や安全対策が必要となります。

航空法により、特定飛行を行う場合は国土交通省の許可・承認を受ける必要があります。無許可で飛行させてしまった場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります。技能証明を有する方は、罰則に加えて、技能証明の取り消し等の行政処分の対象になる可能性もありますので、特定飛行を行う場合は、必ず国土交通省への許可・承認を申請するようにしましょう。

国土交通省への許可・承認申請はDIPS(ドローン情報基盤システム)を使い、オンラインにて行います。国土交通省の審査には時間がかかるため、飛行予定日より10開庁日前の提出が推奨されております。しかし、提出後に内容の確認や不備の修正が求められる場合があるため、余裕をもったスケジュールで申請することが重要です。

出典:国土交通省ウェブサイト(航空:無人航空機の飛行許可・承認手続 – 国土交通省

特定飛行に該当する飛行空域・飛行方法は全部で10パターンございます。前編の今回は、飛行空域4パターンについて、それぞれご紹介致します。

航空機の空域と分離を図り、安全を確保するため、空港等周辺でのドローン飛行は原則禁止となっております。ドローンが航空機の進路や安全に影響を与えるような行動を取ると、重大な事故に繋がる可能性があります。空港等周辺でのドローン飛行を行う場合は、管轄する航空交通管制機関と調整の上、飛行の許可を取るようにしましょう。

緊急用務空域とは、自然災害や事故などの緊急事態が発生した際に、緊急用務を行う航空機の安全を確保するため、国土交通省が指定した空域を指します。飛行させる空域が緊急用務空域か否かの確認は操縦者の義務ですので、必ず国土交通省のホームページで確認するようにしましょう。

空港等周辺の空域と同様に、航空機の空域と分離を図るため、高度150メートル以上の空域での飛行も原則禁止となっております。150メートルというのは海抜高度ではなく、ドローンが飛行している直下の地表または水面からの高度差が150メートル以上の空域を指しますのでご注意ください。山岳部などの起伏が激しい地形の上空で飛行させる場合は、意図せずに150メートル以上の高度差になる場合があるので、注意するようにしましょう。

DIDとは、「人口集中地区」(Densely Inhabited District)の略称で、総務省が国勢調査データに基づいて指定する、人口密度が高い地域を指します。主に都市部や住宅街が該当し、秋田市の多くの地域もDIDエリアに含まれています。DIDに該当するかを手軽に確認できるスマホアプリもありますので、飛行場所がDIDに該当するかを事前に確認し、該当するようであれば必ず飛行許可を取るようにしましょう。

特定飛行を安全かつ適切に行うことで、ドローンの活用範囲を大きく広げることができます。前編の今回は特定飛行に該当する飛行空域4パターンをご紹介させていただきました。後編では、特定飛行に該当する飛行方法6パターンをご紹介致しますので、お楽しみに!

飛行に関するご相談やお仕事のご依頼は弊社まで一度お問い合わせください。

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