特定飛行とは?                             ~後編 特定飛行に該当する飛行方法~

2024.12.11

前編では、特定飛行に該当する計10パターンのうち、飛行空域4パターンについてご紹介をさせていただきました。後編の今回は、特定飛行に該当する飛行方法6パターンについてご紹介をさせていただきます。事前にしっかりとした準備や手続きを行えるよう、特定飛行に該当する事項を把握しておくようにしましょう。

出典:国土交通省ウェブサイト(航空:無人航空機の飛行許可・承認手続 – 国土交通省

特定飛行に該当する飛行空域・飛行方法は全部で10パターンございます。後編の今回は、飛行方法6パターンについて、それぞれご紹介致します。

ドローンの操縦者は、日中(日の出から日没の間)における飛行が原則とされております。夜間の飛行は視認性が低下し、操縦者や補助者からドローンが見えにくくなることで、位置や向きの把握が難しくなり、第三者への影響や障害物との衝突の危険性も高まるため、特定飛行に該当します。

夜間での飛行の「夜間」とは、国立天文台が発表する日没時刻から日の出時刻までの間になります。そのため、「夜間」の時間は地域ごとに、そして季節ごとにも異なる時刻となりますので、知らぬ間に夜間飛行とならないよう、事前にしっかり確認をして飛行に臨むようにしましょう。

ドローンの操縦者は、ドローンとその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させることが原則とされております。目視外飛行は、操縦者がドローンを目視せずに操縦することを指します。操縦者がカメラ映像を頼りにするため、状況を誤認し、第三者等に被害をもたらすリスクが大きいため、特定飛行に該当します。

「目視」とは、飛行させる者が自分の目で見ることを指します。従って、飛行させる者が双眼鏡やモニターによる監視や補助者による監視は含みませんのでご注意ください。眼鏡やコンタクトによるものは「目視」に含まれますので、これらを常用されている方は、ドローンを飛行させる際も使用するようにしましょう。

ドローンの操縦者は、地上または水上の「人または物件」との間に30メートル以上の距離を保って飛行させることが原則とされております。ここでの、「人」とはドローンを飛行させる者及びその関係者以外の者を指し、「物件」は、ドローンを飛行させる者及びその関係者が所有又は管理する物件以外のものを指します。

「人」についてはイメージしやすいと思いますが、「物件」は多岐にわたります。車はもちろん、信号機や電柱、電線など様々なものが該当します。30メートル以上の距離が確保できずに特定飛行に該当するケースは非常に多いので、注意するようにしましょう。

催し場所上空でのドローン飛行は、特にリスクが高い飛行形態の一つであり、万が一、機体が墜落した際に地上にいる第三者へ危害を及ぼすことを防止するため、特定飛行に指定されております。「催し」とは、人を集めて集会・会合・興行などを行うことです。具体的には、祭り、展示会、スポーツ試合、運動会などです。運動会でドローンによる迫力ある映像を撮りたい!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、特定飛行に該当しますので、国交省への承認を得る必要があります。

これに対し、主催者はいないが、自然発生的に人が集まった場合は、「催し」には該当しません(信号待ちや見物による人混みなど)しかし、催し場所上空に該当しなくとも、第三者の上空は飛行させてはいけないという原則は忘れずに、常に安全な飛行を心掛けるようにしましょう。

ドローンの操縦者は、危険物を輸送することが原則禁止されております。危険物とは、火薬類、高圧ガス、可燃性物質などが該当します。ただし、ドローンの飛行のために必要な燃料や電池、カメラ等に用いられる電池、安全装置としてのパラシュートを開傘するための必要な火薬類や高圧ガス、これらについては、輸送が禁止される物質に該当しません。

最近では、物流の効率化・迅速化・コスト削減を目的とした物流ドローンを耳にする機会も増えてきました。しかし、危険物の輸送は多くのリスクを伴いますので、特定飛行の一つとしてしっかりと覚えておきましょう。

ドローンの操縦者は、物件を投下させることが原則禁止されております。物件投下とは、運んでいる物件を切り離して落とすことであり、水や農薬類も対象です。農業が盛んな秋田県においては、ドローンを使って効率的に農薬散布を行う事例も増えてきましたが、その農薬散布も物件投下に該当し、特定飛行となりますので、注意するようにしましょう。

いかがでしょうか。前編・後編と合わせ、計10パターンの特定飛行をご紹介させていただきました。10パターンもあると覚えるのが大変かもしれませんが、特定飛行は安全と法律を守るための重要な制度ですので、しっかりとその内容を把握しておきましょう。

飛行に関するご相談やお仕事のご依頼は弊社まで一度お問い合わせください。

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