スカイレポート
SKY REPORT
リモートIDとは?
2024.12.14
ドローンのリモートIDについて耳にしたことはありますか?これは、近年急速に進化するドローン技術において、安全性と規制を強化するために導入された重要な仕組みです。ドローンの勉強をしていると、初期段階で必ず登場する言葉だと思います。
本記事では、リモートIDの概要、その誕生の背景、搭載方法、そして搭載しない場合のリスクについて解説していきます。
リモートIDとは?
リモートIDとは、簡単に言うと「ドローンの空中ナンバープレート」**です。
飛行中のドローンが自らの識別情報(機体のIDや位置情報など)を周囲の受信機に送信することで、どこで誰が操縦しているドローンなのかを特定できるようにする仕組みです。
この技術は、ドローンが無人航空機として公共空間を飛行する際の透明性を高め、違法な利用や事故を未然に防ぐ目的で設計されています。
ドローンにリモートIDを搭載することにより、以下の情報が電波によって1秒に1回発信されることとなります。
静的情報
ドローンの製造番号、登録記号
動的情報
飛行位置、飛行速度、飛行高度、飛行時刻等
リモートID誕生の背景
リモートIDの導入は、世界中で増加するドローン利用に伴う安全上およびプライバシー上の懸念から始まりました。
- ドローンの普及と問題:商業用から娯楽用まで幅広く使われるドローンが増え、航空機とのニアミスや重要施設への侵入といった事例が相次ぎました。
- 法的枠組みの必要性:これらのリスクに対応するため、多くの国でドローンの規制が整備され、操縦者や機体を識別する仕組みが求められるようになりました。
例えば、アメリカではFAA(連邦航空局)が2021年にリモートIDに関する規則を発表し、日本でも2022年から航空法に基づくリモートIDの搭載義務化が段階的に進められています。
リモートIDを搭載する方法
リモートIDを搭載するには、大きく以下の方法があります。
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リモートID内蔵型ドローンを購入
一部の最新ドローンは、最初からリモートID機能を内蔵しており、設定を有効化するだけで使用可能です。 -
外付けモジュールを使用
リモートID非対応の機体には、専用の外付けモジュールを装着することで対応できます。モジュールは一般的にドローンに取り付けるだけで使用可能で、設定も簡単です。 -
登録と設定
リモートIDを有効にするためには、国や地域の航空当局に機体を登録し、必要な情報をシステムに提供する必要があります。具体的な手続きは各国の規制によりますが、日本では「ドローン登録システム」を通じて行います。
リモートIDを搭載しなかった場合のリスク
リモートID未搭載のまま飛行を行うと、以下のようなリスクや罰則が生じる可能性があります。
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法的な罰則
リモートIDが義務化されている地域で非対応のドローンを飛行させると、法律違反として罰金(50万円以下)や機体没収などの処分を受けることがあります。 -
飛行の制限
リモートID未搭載のドローンは、指定されたエリアやイベントでの飛行が許可されない場合があります。 -
安全性の懸念
不審なドローンとみなされるリスクが高まり、管理当局や他の操縦者とのトラブルが発生する可能性があります。
リモートIDの搭載が免除となるケース
リモートIDは、以下のケースであれば搭載が免除されます。
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CASE①
事前登録期間中(2022年6月19日まで)に登録手続きを行っている場合。 -
CASE②
あらかじめ国交省航空局へ届出を行っている区域(リモートID特定区域)において、飛行を監視する補助者の配置、飛行範囲を示す措置を講じて飛行を行う場合 -
CASE③
強度の備えたリール等を使い、ドローンを係留して飛行を行う場合(長さ30m以内)
まとめ
リモートIDについて、理解できましたでしょうか。
リモートIDは、ドローンの安全かつ責任ある運用を支える重要な要素です。その導入は一部の操縦者にとって負担に感じられるかもしれませんが、これにより空の安全性と信頼性が向上します。
ドローンを購入または運用する際は、リモートIDへの対応状況を必ず確認し、規制を遵守するようにしましょう。それが、より広い空を楽しむための第一歩です。
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